泡沫ルミネセンス

瞬く、散る、消える。

さくら散る

春は出会いの季節、なんて言うけれど、私にとってはいつだって別れの季節だ。

桜の開花予想が始まる頃すでに別れを予感し、かなり感傷的な気分になる。

世の人は何故もあんなに新しい出会いに揚々とするのか私にはわからない。
出会いよりも別れの方がよっぽど衝撃で永遠の出来事なのに。
去りゆく人を想いながら、私のことなんてすぐ忘れるであろう相手の薄情さに心を痛め、そして諦める。「そうだ、これが春だった。」

そして桜は散る。

春の夜の匂いって知ってる?
わたしみたいに田舎に住んでるとね、季節に香りがするの。
春の夜香は微かで、胸一杯吸い込まないとわからない。夏の入道雲みたいな強烈な主張はない。けど、別れを予感させるには十分で、香りで満たされた胸は刹那さで溺れる。